と雄叫びを上げつつ見ていると、エンディングで思いっきり意表を衝か れた!
何と、エンディングのテーマが、パットメセニーグループの「Last train
home」ではないですか!第一部、二部のエンディング、イエスの「Round
about」はその緊張感溢れるサウンドがハードなストーリーに見事にマッチして
たし、第一シーズンのバングルス、「Walk like an Egyptian」も遥かエジプト
を目指して個性全開のキャラ達が旅をするイメージにピッタリ。「さすがはロッ
ク大好きの荒木センセー!」などと その選曲の的確さとマニアックさに感心し
ていたのですが、最後になってまさかのパット・メセニー・・・愛用のEs-175に
はなぜか歯ブラシが挿 んであり、初対面の人ならば誰しも、心の中で「床屋い
けよ!」と叫んでしまうであろう、ジャズ、フュージョン界の奇才・・・
この曲が収録された「Still life(talking)」は1987年発表の傑作アルバ
ム、当時は本当に良く聴いてました。中でもエレキシタールのたそがれた音色が
耳に残る、この 「「Last train home」は大のお気に入り。「ジョジョの奇妙な
冒険」も、それを読みたいがために毎週少年ジャンプを買う動機になっていた最
後の作品。承太郎、ジジイ、 花京院にアブドゥル、ポルナレフ!それと忘れ
ちゃいけない犬・・・大好きな第三部のキャラ達が砂漠に佇むバックにこの懐か
しいメロディーが流れて きた時には、昔の友達と何十年かぶりに再会したかの
ような気がしました。立ち去る承太郎の足跡を消してゆく砂嵐に舞う、五人と一
匹が写る一枚のス ナップ・・・思わず郷愁を誘う音楽に映像、このスタッフは
実にセンスが良い!
タイトルの「Last train home」、「家に帰る終電」と訳すと、山手線内回り最
終池袋止り、日暮里24時25分発高砂行き、などを連想してしまいます。定冠
詞のTheが付いてな いので、ここはより普遍的に「故郷に向かう最終列車」と解
釈し、無人の荒野をひた走るアムトラックの姿などを想像してみましょう。Last
trainの後の、副詞のhomeがピリッと効いてます。「オレは家に帰る!」映画
「アポロ13」で、酸素タンクが爆発し絶体絶命の宇宙船内、船長役のト ム・
ハンクスが決然と言い放ち、絶望に打ちひしがれたクルー達を奮い立たせた決め
台詞。これがもし、「地球に帰る!」では、これほどのリアリ ティーをもって
胸に迫ってはこなかったでしょう。その後、ここぞ!というタイミングでオメガ
スピードマスターの大活躍により、全員無事に奇跡の生 還を果します。科学技
術の粋を集めたアポロ宇宙船を救ったのがゼンマイ仕掛けの機械式クロノグラフ
だった、という事実がメカ好き男の子マインドを 最高にくすぐるのですが、そ
れはまた別のお話・・・とにかく国家の威信を背負ったアストロノーツも、終電
になんとか間に合った酔っ払いのオトーサ ンも、男の帰るところは愛する家族
の待つ我が家しかありえない、という結論に達します。(そうなのか?)
ブラシで刻まれる正確なスネアのリズムはレールを疾走する車輪の音、ウッド
ベースの刻む八分音符は機関車の鼓動そのもの。やがて線路の彼方から汽 笛と
ともに現れる印象的なテーマメロディー・・・メジャーペンタトニック(長調の
音階から四度と七度の音を抜いた五音、ハ長調でいうならファとシ 抜き)主体
で紡がれた、素朴ながらもまさに心に沁みるメロディー。旅情、郷愁といった誰
もが持っているセンチメンタルな感情を喚起する珠玉の名曲 と言えるでしょう!
運命に翻弄され、遠く離れたエジプトの地で命懸けの奇妙な冒険を果したイカし
た野郎ども・・・旅の終わりに日本、フランス、アメリカ、それぞれの 故郷に
思いを馳せながら彼等の胸に去来したのはやはりこの哀愁のメロディーなのか?
さにあらず、ビートルズの「Get back」だった、というオチがつきます・・・
「やれやれだぜ・・・」うーん、やっぱりジョジョ最高!そこに痺れる憧れるぅ〜!
https://www.youtube.com/watch?v=Sq5oqY3-vhg
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