言わずと知れた「キング・オブ・ポップ」、マイケル・ジャクソンのギネスブック認定、史上最も売れたアルバム、「スリラー」からのメガヒットシングル。当時売り出し中だったヴァン・ヘイレンのエディー・ヴァン・へイレンがぶったまげのギターソロを弾いており、「あのギター弾いてるの、いったい誰?!」ってな感じでハードロックファンのみならず、一般的リスナーの間でも話題になった曲。結果、その後にリリースされたヴァン・ヘイレンの名盤、「1984」の全米No.1ヒットのアシストにもなったというおまけ付き。地味ながらスティーヴ・ルカサー師匠も燻し銀のバッキングでエディーのプレイを的確にサポートしてます!そんなロック・ギターの歴史的名演でもあるこの名曲を、スットコドッコイな解釈で見事に奈落の底まで引きずり落としたのが今回紹介するこの人、イングヴェイ・J・マルムスティーン!
と、言っても、こんな舌噛みそうな名前のスウェーデン生まれの毛唐のことなんざぁ「バーン」か「ヤング・ギター」読んでるような、一部のマニアしか知らないよね・・・あはは!(偏見でしょうか?いいえ、だれでも・・・by公共広告機構)説明しよう!(以下、タイム・ボカンの富山敬の声で読んでね)イングヴェイ・J・マルムスティーンとは、ネオ・クラシカルメタルという、新しいんだか古いんだかよくわからない変な名前の音楽ジャンルの絶対的ギター王者として君臨するのみならず、全ヘビーメタル、ハードロック界をも代表する屈指のテクニックとスピードを誇り、自らをヴァイキングの末裔(ビッケかよ・・・)、貴族の子孫(多分、ウソ)と称する超絶技巧派ロックギタリストなのだ!よけーわかんねぇか・・・
「光速のブタ野郎」、「ヘビメタ豚貴族」、等々、リスペクトのかけらも感じられない数々の称号(?)を授けられたことからも分かるように、ハーモニックマイナースケールや瞬間的に分散和音を弾くスウィープピッキングなどの高度な技法を駆使し、クラシカルなフレーズを人間離れしたスピードで「これでもか!」と弾きまくる超絶ギターテクニックとともに、「人間のクズ」と呼んでも一向に差し支えないほどの、これまた人間離れした人望の無さでもつとに有名なお方であらせられます・・・(笑)金無垢のロレックスをピッキングする右手に嵌め、ギターを弾きながらこれ見よがしにジャラジャラ光らせるお姿は、まるでバブル全盛期の地上げ屋さながらの佇まい!集めに集めたポンコツフェラーリのコレクションは、一昔前の環八沿いの中古外車屋さんを彷彿とさせる魅惑のラインナップだ!・・・同じくフェンダーのストラトキャスターを愛用しながらも、ミュージアムクラスのアンティークロレックスをさりげなくお召しになり、自らのイニシャル、E.C.を冠した世界に一台しかない特注フェラーリをガレージに忍ばせるエリック・クラプトン様とはそのステイタスとセンスにおいてやはり月とスッポンほどの差がある、というのが一般的な認識ですが、まぁ、相手は神様ですから・・・ドンマイ!(爆笑)
で、問題のこの曲。もうド頭から曲が始まるのも待ち切れず、無意味に光速エスパーな弾きまくり大会!しかしどんだけシャカリキになって豚伯爵が弾きまくろうとも、音楽的必然性が伴わなければ「はいはい、スゲーよ、スゲーよ・・・」とその音の羅列は右の耳から左の耳へと空しく通り過ぎて行きます。あの有名なメインリフが始まる頃、光速フレーズの垂れ流しにはもはやアテントが必要なほどに・・・「やっと歌が始まるよ・・・」とほっとしたのも束の間、「なんじゃこりゃぁ!?」(by松田優作)ロニー・ジェイムス・ディオを音痴にしたようなオッサンが、何やら不気味な唸り声を上げてます・・・戦いの合図かなにかか?と思って聴いていると、「ソッビーテッ、ジャスビーテッ・・・」どうやら、歌を歌っているようです。「・・・このオヤジ、ふざけてんのか?」と最初は思いましたが、よくよく聴いてみると、本人はいたって真面目にやっている様子・・・うーむ、偽ロニー・ジェイムス・ディオが全く畑違いの楽曲を訳も分からず熱唱しなければならないのには、きっとやむにやまれぬ、なにかフクザツな事情があるはず・・・公表されると社会的生命が危うくなるほどの弱みを養豚貴族に握られているのか、または家族を人質にでも取られているのか・・・そんなことを考えながら「ビーテ〜ッビーテ〜ッアーアー」などと、サビに入ってさらにスカタン度に拍車の掛かった致命的見当違いヴォーカルを聴いていると、もはや悲壮感すら漂っているように思えてきた。なにやら早くも壮絶なカオス状態です。
さて、幸の薄そうなヴォーカルの話は置いといて、いよいよ最大の見せ所、ギターソロです。というか、本来のギターソロパートの始まる前に、この豚、いや人、もう我慢できずに弾き出しちゃってます。原曲の構成はこの時点で完全にシカトです。とにかく隙あらばギターソロをブチ込まないことには気が済まない豚閣下、何か私生活に深刻な問題でも抱えているのではないかと心配です。それはさておき、この出だしの部分がちょっとだけ面白い。巻き弦のハイポジションをブリッジミュート掛けてフロントピックアップで弾いたような音なんだけど、「あ、これはプールで泳いでいて、耳に水が入ったときの音だ!」などと小学生の頃の夏休みの思い出が、ふと頭をよぎりました。塩素の香りが漂ってくるようなフレーズです、どーでもいーけど・・・で、ブクブク言ってるギターソロのイントロ(?)も無事に終わり、やっとギターソロです。ハァ、やれやれだぜ・・・一応、アタマとケツはエディーに敬意を表してか同様のフレーズでまとめてはいますが、それ以外は「どうだ愚民ども!オレ様の方がエディーより早いぜ!」(勿論、エディーはそんなもん追求してませんが・・・)と言わんばかりに、もう本能の赴くままに弾きまくります。エディーのソロは決められた16小節の中で時にエモーショナルに、時にスリリングに、見事な起承転結を構築した名演なのですが、この人、曲の構成上16小節でソロをきっちりまとめよう、などというつもりはハナからサラサラありません。そのまま怒涛の勢いでエンディングのフェードアウトまで、まるで何かに(豚の霊?)取り憑かれたように弾き続けます。もはや正気の沙汰ではありません。運悪く、発情の時期と重なってしまったのでしょうか・・・
つまるところ、この「Beat it」のイングヴェイヴァージョンとはいったい何だったのか?ひらったく言っちまえば、マイケル・ジャクソンの「今夜はビート・イット」の構成とアレンジはそのまま頂戴し、ドラムをヘビーにして、そこら辺にいた(?)ダミ声ヘビメタヴォーカルに無理やり歌わせ、てめぇは好き勝手にたらたらギターを弾きました、と・・・そう言ってしまうとまるでミもフタもありませんが、実際それ以外の要素はどこを探しても見当らないのだからタチが悪い。この曲をネオ・クラシカル・メタル(笑)風にアレンジする、というアイディア自体は個人的には可能性を感じるし、なにより抜群のテクニックとそれなりのセンスもあるわけでしょう?マジメに取り組めば如何様にも料理できた筈です。それがこのテイタラクで、しかもお足を頂こうってぇんだからねぇ・・・そりゃぁ「てめぇ、何も考えてねぇだろ!手抜き仕事も大概にしやがれ!」と、ファンからソッポも向かれるよね。「オレ様がギター弾いてりゃ、全ては許される!」という傲慢さが見え隠れしてますな。まぁ、光速のブタ野郎の名に恥じない下衆っぷり、と言ってしまえばそれまでですが・・・個人的には笑えるから許すけどね。あはははは!
しかし、これ聴いたらマイケル・ジャクソンもあまりのトホホさに、きっとリアル・ネバーランドの草葉の陰で泣いてるよなぁ・・・なにはともあれ豚貴族、マイケル・ジャクソンとエディー・ヴァン・ヘイレンと、ついでにアル・ヤンコビックにも謝れ!などと言ってみても、「豚に説教」ってやつかな・・・
「宇宙からも見える地球上の人間の造ったの建造物はたった二つだけ。一つは万里の長城、もう一つはオレ様が積み上げたマーシャルアンプの壁だ!ガハハハハ!」:イングヴェイ・J・マルムスティー氏談・・・まったくもう!
https://www.youtube.com/watch?v=aQ0Jk96l-PM
posted by VIVEFIVE at 00:36|
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