2015年04月12日

一千一秒怪我一生・・・

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高校二年の時、現代国語の短歌を詠む課題で、とあるクラスメートの詠んだ一首。

風立ちぬ 夏の扉を閉める頃、 白いパラソル 風は秋色・・・  

クラス中の失笑をかっていましたが、その非凡なパロディーセンスにジェラシー
すら感じ、ボクは教室で一人歯ぎしりしていたのを思い出します・・・ そんな
大の松田聖子フリークで帰宅部だった佐藤学クン、お元気ですか?ボクは元気です。

さて、「歌手」、松田聖子は、このアルバム「風立ちぬ」で明らかな転換期を迎
えます。まずは声と歌唱法の変化。後先考えずに声を張り上げるのは大 リーグ
ボール三号を投げ続けるようなもので、やはり喉に相当な負担が掛かっていたの
でしょう。喉を痛めて圧倒的な高音のパンチはなくなってしまい ましたが、そ
れを補うように中低音に暖かみとふくよかさが増し、時にハスキーに、時に囁く
ように響きます。その声の変化に伴い、歌い方にも変化が 見られます。デ
ビュー以来、その溢れる才能と本能の赴くままにタランティーノ撃ち的に歌いま
くってきましたが、(それも魅力でしたが・・・)これ 以降、抑揚を強調した
様々なヴォーカル表現を意識的に使い分けていくようになります。その後の
「Sweet Memories」が名曲たりえたのも、この声と歌い方あったればこそ!と思
います。この時点では、まだトライアル・アンド・エラーの段階ですが・・・

それと、この時期に作家陣にも変化がみられます。まず何と言っても作詞を松本
隆が一手に引き受け、まさにリリックの独占禁止法違反状態。それ以降 の楽曲
コンセプトの方向性に決定的な影響を与えるようになります。「涙を糸で繋げば
真珠の首飾り、冷たいあなたに送りたいの・・・」まさに詩的表 現。作曲も引
き続きの財津和夫に「ナイアガラ」大瀧詠一、その後も松任谷由美、細野晴臣
等々・・・いわゆるニューミュージック(死語・・・)系の 作曲家陣が、非歌
謡曲的、ハイセンスかつ多彩な楽曲を提供するようになります。それにしても松
本隆に大瀧詠一、鈴木茂、細野晴臣・・・全員「はっ ぴいえんど」の元メン
バーですね。「カーグラTV」松任谷正隆は鈴木、細野らと荒井由美のバックも務
めてた「ティン・パン・アレイ」で鍵盤弾いて たし・・・「日本語ロック」の
先駆けとして評価されながらもサッパリ一般ウケせず、歴史の波に消え去って
いったロックバンドとその人脈が、リリッ ク、サウンド両面で松田聖子の楽曲
の屋台骨をガッチリと支えていたのは少々意外な気がします。「はっぴいえん
ど」に特に思い入れは無いので、テキ トーに書いてますが・・・アハハ!

とにもかくにも、変わってしまった声を最大限に生かした歌唱法の確立、見事な
タイミングでその新たなスタイルにマッチした楽曲との出会い・・・ま さに災
い転じて福となす。この後、松田聖子は、トップアイドルにしてトップ女性
ヴォーカリストでもあるという、稀有な存在として80年代を駆け抜 けて行く
のは皆さんご存知の通り。そのプロトタイプになったのがこのアルバム、「風立
ちぬ」。そのなかでも「一千一秒物語」は特に好きな曲です。 シンガポールに
服役中のバンマスも、確かこの曲は好きだったはず・・・リーダー、お元気です
か!(前振り長過ぎ!)

「一千一秒物語」、松本作詞、大瀧作曲です。この曲、一般的には「ナイアガラ
サウンド」などと言われていますが、誰が何と言おうと、もとネタは ザ・ロ
ネッツの(というか、フィル・スペクターの)「ビー・マイ・ベイビー」です。
と言っても、「パクッた」などと野暮なことを言うつもりはあり ません。
「ビー・マイ・ベイビー」やシュープリームスの「恋はあせらず」のリズムパ
ターン、チャック・ベリーのギターリフなどは事実上フリーソフ トと化してお
り、個人として楽しむか、もしくは原曲に対するリスペクトを表明する限りにお
いては無断使用してもお咎め無し・・・という現状があり ます(?)パッヘル
ベルの「カノン」のコード進行にいたっては、原曲はほとんど忘れ去られてお
り、そのコード進行のみが一人歩きしている感すらあ ります・・・あ、話がズ
レました。脱線ついでに、なんで「ナイアガラ」なんですかね?もしかして「大
瀧、大きい滝」からの洒落なのか?だとした ら、「華厳サウンド」や「袋田ト
ライアングル」(笑)のほうが日本人ならしっくりくるんじゃないでしょうか?
大瀧詠一に関しても特に思い入れが無 いので、テキトーに書いてます。あ!思
い入れが無いどころか、こいつは「イエローサブマリン音頭」などというフザけ
た楽曲を自らプロデュースし、 神聖にして冒すべからざるビートルズさまを冒
涜した罪でオレの中では死刑が確定しているのだ!(おめぇはイスラム原理主義
者か?!、とセルフ突っ 込み・・・)が、しかし、既にお亡くなりになってい
たのですね・・・合掌・・・

ドッ・ドドン・タッ(当然、ツクタッ!とカスタネットが絡みます)と、ビー・
マイ・ベイビーなタイコを叩いているのは確か青山純なのですが、ウ オール・
オブ・サウンドを狙ったためドラムスにもエコーが掛かりまくりで、ぶっちゃけ
誰がが叩いていても大差がなかった気もします。ぶ厚いバック コーラスとスト
リングスも絡み、もろにフィル・スペクターサウンドの再現。そんなゴージャス
なサウンドをバックに、声の不調をものともせず見事に 歌いきってます。松本
隆による「パーティーの帰りにあなたの上着にくるまって、錆ついた線路を歩い
たの・・・」タカ&トシの突っ込み担当のヒトな らば(どっちか忘れ
た・・・)、必ずや「欧米かっ!」と突っ込まずにはいられないであろう、リア
リティーゼロながらこの上なくロマンティックな詞 も素敵です!ポスト聖子
ちゃんカットの松田聖子的世界観が、着々と構築されてゆくのを感じることが出
来ます・・・とにかく、「Wow・・・ shine on me」の歌い回しがもう最高!こ
こに新生松田聖子の魅力が凝縮されていると言っても過言では無いと思います。

エンディングでは「離さないでね」という歌詞を繰り返します。特に二回目は、
「は・な・さ・な・い・でねぇ〜」と二拍三連でダメを押しておきなが ら、最
後は妙にあっさりと歌いきってしまいます。ここは絶対に、もっと引っ張って余
韻を残してしかるべきところだと思うのですが・・・しかし、こ の最後の部分
に、何とか無事に歌いきったという安堵感と、声の調子が良ければもっと上手く
歌えたかもしれないのに・・・という複雑な心境がにじみ 出ているような気が
してなりません。もちろん妄想です。が、そんな妄想を抱いてしまうほどにこの
曲は魅力的であります。「一千一秒物語」、ぜひ ヘッドホンで聴いてみて下さい!

https://www.youtube.com/watch?v=WH2B9GKDbUQ

さて問題です。松田聖子の曲には「青い珊瑚礁」、「白いパラソル」など、タイ
トルに色の名を使ったものが多いのですが、次のうち松田聖子の曲でな いのは
どれ?

1、紫のハイウェイ
2、黒い花びら
3、赤いトラクター
posted by VIVEFIVE at 01:08| Comment(0) | 日記
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